・ ワンルーム投資をしていきたいのですが・・・
初心者にはこの投資方法は私たちとしてはあまりお勧めしません。理由は2つあり、一つはリスクが大きいということともう一つは所有している不動産が担保になりにくいということです。
1点目としては入居率が100%か0%しかなく、0%つまり入居者がいなければすべての経費が持ち出しとなってしまうということです。分譲マンションでは、管理費・修繕積立金が掛かってきます。入居があればその分はペイできますが、入っていなければ月々の返済金に加えてその経費も支払う必要があるのです。リスク分散という意味においても、区分での投資というのは当てはまりません。どんどん増やしていくというのなら、わかりますが、それも次の理由から難しいはずです。
2点目の区分所有は担保にはならないというものですが、つまり返済がなくなっても次の投資に進む糧にはなってくれないのです。それどころか、金融機関が出す担保評価が低ければ、かえって資産としてマイナスに計上されるということもあるのです。収益不動産を買おうと融資付けを試みている時に、「お持ちの区分所有物件を売らないと、ローンは出ません」と言われるケースが実は少なくないのです。わずかな土地しかついていないので、減価償却期間が過ぎてしまえば価値はほぼゼロです。それでいて管理費・修繕積立金などはしっかりと引かれていきます。新築当初修繕積立金が1万円台だったのに、いつの間にか3万円台にまで上がってしまった、という話も実際よくあるのです。どこかで売り切ることは可能でしょうか。それとも建替えなどの問題に巻き込まれてしまうのでしょうか(建替えにおいては時価で買い取ってもらう権利がある)。
・ いきなり10世帯以上入っているアパートを買うなんてリスクが大きいのではないでしょうか・・・
何と比べてリスクが大きいと思われるのでしょうか。株式投資と比べているのでしょうか。あるいは物件の規模を懸念されているのでしょうか。ワンルームマンションや4世帯くらいのアパートであればリスクは小さいということでしょうか。または50世帯くらい入っているRCマンションの方がリスクは小さいということでしょうか。物件を持って運用していくにあたり、考えられるリスクとは、空室による収益ダウン(それにより返済不能に陥る)、建物や設備の劣化による大きな修繕費の負担、滞納や不良入居者問題などがあります。さらには相続問題や節税に頭を悩ます人もいますし、希望している売却がなかなか決まらないという人もいます。リスクとは不確実性のことですが、どんな投資にもリスクはあります。それをどのくらいまで想定し、対応できるのかを判断した上で、投資に踏み切るべきです。
・ 購入するにあたって、実際は物件価格以外にどのくらいかかるのでしょうか。
不動産取得税 基本的に土地・建物の物件価格の3%
印紙税(印紙代) 物件価格によります。1万~60万円。
5千万円の物件なら2万円、1億円の物件なら6万円
固定資産税と都市計画税 それぞれ固定資産税評価額の1.4%と0.3%
登録免許税 不動産価格の2%
司法書士報酬 司法書士事務所によって異なるが、10万~15万円くらいか
仲介手数料 3%プラス6万円の消費税が上限(物件価格が低ければより安くなることもあります)
上記記載の税金関係については軽減措置がある場合もあるので、その都度調べてみるべきですが、目安として参考にしてください。
・ ローンが出る基準を知りたいのですが
多い質問ではありますが、最も明確な回答がしにくい問いでもあります。融資希望者の年収や勤務年数はもちろん、物件自体の担保評価によって大きく変わってくるからです。もちろん金融機関によっても違ってきますし、市場の経済状況の影響も小さくはないのです。さらには、紹介する不動産業者によっても融資基準が異なってくるという事実も見逃せません。投資家だけではなく、この質問は不動産業者自身も非常に知りたいところだというのが正直な意見です。私たちとしては常に金融機関を接しているのですが、それでも個々の案件について一つずつ融資審査依頼をかけています。返答は一定ではありません。その都度コツコツと動いていき、感触を確かめていくしかなさそうです。中には自己資金がない人で全額融資が通ることもありますが、あまりその事例に期待をかけすぎてもいけません。いずれにしても私たちが一つずつ審査をお願いするように、投資家の方々も地道に私たちなり他の不動産業者に相談してみることをお勧めします。
・ 自己資金は最低でどのくらい必要でしょうか
2~3割くらいは必要です、というのが電話でお問い合わせいただいた方への一般的な返答になるでしょうか。しかしあまり簡単にはお答えできないというのが本当のところだと思います。どのような投資ビジョンをお持ちかによってずいぶん変わってくるものだからです。面談をさせていただいて、事情を聞いてみると、必ずしも2割の自己資金が必要というわけではない、ということも多々あります。逆に物件によっては、半分くらいは出してもらわないと購入は難しい、というものもあるのです。
・ 職種によって融資の状況は変わってきますか
はっきり言うと職種やお勤めの企業などによって、融資内容が変わってくることが多いです。派遣社員でも融資が通ったという事例もあるのですが、正社員の方がやはり審査は下りやすいというのが実情です。会社などの経営者であれば、その会社が黒字であることが求められますし、会社員とは提出する書類が違ってきます。こちらも一言ではお答えできないのが大変申し訳ないのですが、個々の状況によってくるのです。
・ いい管理会社を見分ける方法はありますか
その扱っている物件がきちんと清掃されているかどうかも大事ですが、担当者がどんな人かを見定めるのも重要です。誠実でない人間は管理会社でなくても信用できないものです。ましてや大事な資産を預けるわけですから、しっかりとその会社や社員並びに管理物件を見る必要があります。体のいい営業トークや宣伝文句だけでごまかされてはいけないのです。管理内容を精査したうえで、契約の条項が履行されない場合にはどこまでその会社が責任を取るかまで聞き出したいところです。そして、その会社がどんな空室対策の方法を持っているかも知りたいものです。空室がほったらかしになっているような管理状態では、資産形成の妨げになってしまいます。賃料保証や滞納保障、または一括借上げをうたっている場合は、それらについても細かく理解してから委託していくべきでしょう。
・ お付き合いしていける不動産会社はどう選んでいけばいいのでしょうか
上記質問でもお答えしたように、誠実にやることをやっている会社かどうかが判断基準になるのではないでしょうか。挨拶をきちんとする、小さな約束でも守る、質問したことにはごまかさずに答えてくれる、電話対応がしっかりしている、まずはそのような社会常識があるかどうかでかなり絞られるはずです。さらには、お客様とどのように接しているかというところでもいろいろ感じることがあると思います。単なる売買の顧客に過ぎないのか、あるいは資産について理解しようとし深いところから良い提案をしようとしているのか。「第一印象は素晴らしいけれど、実際に話を進めてみるとそれが崩れていった」、というような会社も少なくありません。印象ももちろん重要です。しかし大切な資産についてパートナーとしてやっていけるかを時間をかけて見極めることも必要だと思います。私たちもそれらを肝に銘じて日々業務に打ち込んでいますが、反省すべきところもまだまだあります。一言でまとめるなら、お客さまが感じる会社の姿勢で判断していくというところでしょうか。
・ どうも不動産業者は信用できないのですが・・・
中には確かに私たちもお付き合いしたくないような不動産会社もあります。ただ、あまり評判が良くなかった会社でも一緒に仕事をしてみるとそんな印象を感じさせないというケースがあり、噂や評判をまともに取り合う必要があるとは思っていません。たまたま取引が成立しなかったからといって悪い会社だとは限りませんし(不動産の取引が成立しないことは多いです)、嫉妬などから風評を流すようなこともあります。昔は信用できない業者も多かったとは思いますが、最近はしっかりした会社が多くなってきているようです。もしどうしても不安であれば、お知り合いの方からの紹介してもらうのが良いかもしれません。
・ 個人的に売主さんと交渉して、物件を買うことは可能ですか?
その物件が売っているということを直接売主さんに聞いた場合は、それも可能です。しかしすでに不動産の流通市場に出されている場合は、基本的にその情報を出している会社にまず連絡を取り、そこを仲介にして取引を進めていくことになります。仲介業者も価格交渉には乗ってくれますので、恐れずに切り出してみましょう。不動産業者が挟まらない場合には、すべきことをしなかったりしてトラブルの原因にもなりかねません。仲介手数料を惜しむ気持ちはわかりますが、不動産に関する訴訟が多いのも事実なのです。
まずはプロにお任せすることをお勧めします。
・ 不動産投資を始める前に、宅地建物取引主任者の資格を取ろうと思っているのですが・・・
不動産の売買について知識を身につけたり、不動産に関わる法律を勉強することは非常に有意義だと思います。ただ宅地建物取引主任者の試験はなかなか難しく、普段業務をこなしている人間でも楽に受かるということはありません。実務と試験は違うという意見もあります。自己啓発という意味で受験をすることは結構だとは思いますが、不動産投資の近道になるというわけではありません。
・ 私一人の収入ではローンが通らないと言われたことがありますが、妻との収入を合わせて
申し込むことは可能でしょうか。
だいたいの金融機関においては可能のようです。すでに収益物件をお持ちの場合はその収入も合算して、世帯収入だと認められることもあります。配偶者を連帯保証人にするケースが多いのですが、連帯保証人自体が不要だという場合もありますので、不動産業者には少し突っ込んだところまで聞いてみるとよいでしょう。できればその業者も多くの金融機関を回っているところが選択の幅を持っているので、そういった部分も質問してみるといいと思います(中には複数の金融機関から出入り禁止を言い渡されている不動産業者もありますので・・・)。
・ よく出てくるダンシンという言葉は何のことですか
団体信用生命保険のことをよく縮めて団信(ダンシン)と呼びます。ローンを金融機関から出してもらうときに、付随したかたちで加入することが求められる生命保険です。収益不動産に限らず、普通の住宅ローン一般的にも加入が条件になることが多いです。加入者に万一のことがあった際にローンの残りが生命保険会社から支払われるというものです。以下のアドレスでも詳しくわかりやすい説明がなされています。ご参考まで。
オールアバウト団体信用生命保険
・ 利回りが高い物件がどうして御社で紹介できるのでしょうか
もともと当社では収益不動産に限定せずに、業者向けに様々な不動産の取引をしてきました。つまりプロの見立てに堪えられる物件情報を扱ってきたわけです。ですからあまり一般に公開していないいわゆる「非流通物件」の情報が多く入ってきます。それらの情報をそのまま投資家の皆様にお渡しするわけですから、当然比較的質の良い「高利回り物件」が多く供給できるのです。別のところにも書いていますが、くれぐれも高利回り物件がイコール素晴らしい収益物件ではない、ということもお忘れなく。
・ 自主管理(管理会社を使わない)は、可能でしょうか。
実際にオーナー自らが管理をやっているケースも多くみられます。ですから可能であることは間違いありません。これについては、オーナーが資産形成をどのように考えているかによりますので、自主管理が良いのか、それともプロの管理会社に任せるのが良いのか、簡単には言えません。サラリーマンをされている方でも土日などに手間ひまをかけながら一所懸命にご自分でやっていることもあります。もし自分でぜひやりたいという方であれば、何かトラブルがあった時にすぐ動いてくれる専門業者(配管や電気などの設備業者、工務店)を開拓する必要があるでしょう。また家賃滞納の督促・回収にも慎重に対応していかなくてはなりません。
・ 札幌の今後の賃貸市況を教えてください
人口は微増しながらも、20年後には微減していくようです。しかしながら、世帯数はその後もしばらく伸びていくようです。おそらく増えていくだろうと予想されるのが単身者の世帯数です。もちろん高齢者が多くを占めるようになっていくでしょう。現在単身者向きの賃貸物件は供給過剰だと言われています。しかしバリアフリーなどを取り入れて、高齢の方の入居を考えていけば、需要はあるのではないでしょうか。あるいは徹底的に家賃を下げた物件を出していくことで、空室リスクは小さくなっていきます。また、新築マンションや新築戸建の販売戸数が減ってきたことから推測すると、ファミリータイプの賃貸マンションは今後もますます必要とされていくのではないかと感じています。その際に交通の便が比較的悪くても駐車場が複数台確保できるようにするなどの工夫をすることにより、長く住んでもらえるかもしれません。いずれにしても入居者が(ひいてはご自分が)、住みたいと思うような部屋を提供することで、市況に左右されることなく、安定した経営が可能ではないかと思っています。
・ これから札幌の大家業はどうなっていくと思われますか
上記に書いたことにつながるのですが、「ただ建築しました、物件を持ちました」では大家業は成り立っていかないと思います。ここに住みたい、と思わせるような建物だけがオーナーを助けてくれるはずです。立地や家賃だけではない、工夫も必要でしょう。何が入居者に必要なのか、何が住みたいと思わせるのかを、考え、そして実際に手間をかけるということも大事だと思っています。愛着の湧かない物件、愛情を注がない物件は、劣化も早く、入居を希望する人もいなくなってしまうのです。今後多くの大家さんたちは非常に厳しい状況にさらされ、たくさんの方が淘汰されるのではないかと考えています。生き残って、豊かになっていけるのは、多くの情報を収集し活かせる方か、入居者の立場で考えて物件の価値を高められる方に、絞られるのではないでしょうか。